Oaxis Japanから発売されているキッズ用スマートウォッチmyFirst Fone R1を実際につかってみて、使用できる格安SIMを公式対応の有無、データ通信容量や月額の料金の安さ、容量を超えた場合料金体系等の観点から比較しておすすめできるSIMをまとめました。
myFirst Fone R1でSIMは必須か
まず、myFirst Fone R1は子供の見守り用途で購入する方が多いかと思います。
SIMカードなしでも利用はできますが、GPS追跡や通話がWIFI環境下でないとできないため、その機能をフルに発揮することができません。
Q : SIMカードなしの利用はできますか?WIFIで利用したいです。
A:できます。但し初期化するために、最初どうしてもSIMカードを挿入しなければなりません。またGPS追跡はほぼ利用できなくなります(WIFI環境から抜けると、通信できなくため)。また一部の機能が利用できなくなります。
公式HPより引用
従って、子供の安全のために購入する場合は、SIMは用意した方がよいでしょう。
myFirst Fone R1で通信する方法
myFirst Fone R1でデータ通信・通話するには、2つの方法があります。
一つは、公式サイトからSIMカード付きで購入する方法、もう一つは自分でSIMカードを用意する方法です。
公式サイトでSIMカードをセットで購入した場合と、本体と別に自分で通信手段を用意した場合のメリット・デメリットを比較してみます。
公式でSIMカードセットを購入する場合
公式HPからセットでSIMも契約する場合は、設定等が楽で手間が少ない一方で、SIMを自分で選ぶことができないことから以下のようなデメリットとメリットがあります。
SIMカードを自分で用意する場合
一方でSIMカードを自分で用意することもできます。格安SIM等の安価な通信方法もあり、自分にあった容量を安価な価格で選べることが特徴です。
手続きがめんどくさい、よくわからないという方は公式サイトでセットで購入するのも手かと思います。公式のSIMは、ドコモのMVNO(ドコモから回線を借りている)データ専用SIMで容量1GBとコストパフォーマンス的にはあまりよくないため、自分で用意できる方は自分で用意した方がよいでしょう。
下記の赤丸で示したようにSIMのスロットを引っ張り出して、別途郵送されてきたSIMを入れるだけで手順に従って、APNの設定をするだけなので難しくはありません。
おすすめの格安SIMの選び方
音声SIMとデータ通信SIMの選び方
まずSIMには音声SIMとデータ通信SIMがあります。
音声SIMの方データSIMではできない音声通話ができる分、価格が少し高くなりますが、音声通話をしたい場合は音声SIMを購入する必要があります。高いと言っても月100円程度の差です。
データ通信SIMは、音声通話(電話)以外ができるSIMカードです。
機能を表にまとめると以下の通りです。
SIM種類 | 音声SIM | データSIM |
音声通話(ダイヤル発信) | ○ | × |
音声通話(IP電話) | ○ | ○ |
ビデオ電話 | ○ | ○ |
ボイスメッセージ | ○ | ○ |
テキストメッセージ | ○ | ○ |
データ通信SIMの場合は、通常の携帯電話と同様に電話番号を使った音声通話はできませんが、データ通信を使ったIP電話やビデオ通話ができます。
音声通話(ダイヤル発信)と音声通話(IP電話)の違いとしては音声通話(ダイヤル発信)は、例えばキッズケータイやスマホを使っている友達と電話回線を使って通話したいという場合、電話番号をもっているのでかけることができますが、データ通信を使った通話の場合は、アプリをインストールしている端末とのみ通話ができる違いがあります。
音声通話(ダイヤル発信)は、通常の電話と同様にかかってきますが、音声通話(IP電話)はLINEの通話をイメージするとわかりやすいかと思いますが、アプリから通知があり、電話を受けることになります。
IP電話はデータ回線を使った通話なので、通話料金がかかりませんが、音声通話の場合は、別途通話料がかかります。
又、音声通話(ダイヤル発信)とIP電話の違いとしては、電話通話の時は、親のスマホには通常の電話のように着信しますが、IP電話の場合は、アプリプッシュ通知のみなので、電話着信のように鳴り続けてくれないという違いがあります。確実に子どもからの電話を受け取りたいときは、音声通話の方が気が付きやすいでしょう。
従って、音声SIMとデータ通信SIMどちがよいかは、個々の使い方次第になります。
親が子供の見守り用や連絡用に持たせたい場合は、友達と通話する機能はさほど必要ではなく、子供が使いすぎで通話料金等が高くなってしまう可能性があるので、データ通信でよいでしょう。
それぞれのメリット・デメリットを考慮して選択するとよいでしょう
公式で対応しているSIMから選択する
Oaxis Japanの公式サイトには、他の使えるSIMカードが紹介されています。
公式サイトによると以下の回線は、公式で検証がされているので、安心して使用することができるでしょう。各データ容量と値段をまとめると以下の通りです。
SIMカード会社 | 回線 | データ容量 | 値段 |
Dプラン(NTT回線) | 2GB | 740円~ | |
BiC SIM | Dプラン(NTT回線) | 2GB | 740円~ |
ソフトバンク回線 | 3GB | 990円~ | |
イオン モバイル タイプ1 | Dプラン(NTT回線) | 1GB | 528円~ |
ビッグローブ | Dプラン、ソフトバンク回線 | 3GB~ | 990円~ |
LINEMO | ソフトバンク回線 | 3GB~ | 990円~ |
HISモバイル |
Dプラン(NTT回線) | 0.1GB~ | 198円~ |
又、以下の回線は公式では非対応として紹介されていますが、使えるものの、バッテリー持ちが悪くなったり、使えるBandが限られていたりと相性があまりよくない回線になります。
基本的にグローバルIPのSIMカードは、電池持ちがかなり悪くなります。
上記の公式ページで推奨されているSIMはいずれもプライベートIP接続です。
又、公式で推奨している以外のSIMカードをご利用いただいた場合は、製品の保証ができなくなりますので、公式推奨のSIMカードの中から選択するのが無難でしょう。
SIMカード会社 | 回線 | 非対応の理由 |
OCN モバイル One | Dプラン(NTT回線) | グローバルIPのSIMカード。バッテリーは5-6時間しか持たないです。 |
LINE モバイル | Dプラン(NTT回線) | データ通信はできません。 |
Rakuten モバイル | 楽天回線 | Band3(1.7GHz)以外、データ通信ができません。 |
イオン モバイル タイプ2 | Dプラン(NTT回線) | グローバルIPのSIMカード。バッテリーは5-6時間しか持たないです。 |
インターリンクLTE | Dプラン(NTT回線) | グローバルIPのSIMカード。バッテリーは5-6時間しか持たないです。 |
イプシム | Dプラン(NTT回線) | グローバルIPのSIMカード。バッテリーは5-6時間しか持たないです。 |
ASAHI ネット LTE | Dプラン(NTT回線) | グローバルIPのSIMカード。バッテリーは5-6時間しか持たないです。 |
HIS | NTT回線 | 「自由自在プラン」「ビタッ!プラン」不具合が発生しております* |
日本通信 | NTT回線 | データ通信ができない、バッテリー消耗、製品故障の原因 |
b-mobile | NTT回線 | データ通信ができない、バッテリー消耗、製品故障の原因 |
*HISモバイルについては、100MB~1GBのプランで通信量や通信速度の関係から不具合がでることがある旨案内されています。
楽天は、1GB以下無料が使えなくなった上、band3でしか通信できず、使う理由がありません。
又、基本料で使う手段としてpovoがありますが、まず電話ができませんでした。又、高速通信なしでは、ビデオ通話もほぼできません。GPSでの追跡はできるものの、見守り用途としては少々厳しいでしょう。
使えるデータ通信容量は1GB以上あればOK
特に音声契約なしのデータ通信のみの場合でビデオ通話を利用したい場合は、音声よりもデータ消費量が大きくなるため、1GB以上あった方がよいでしょう。
逆によっぽどヘビーにビデオ通話を使わない限り2GB以上あっても使うことは少ないでしょう。
なお、myFirstFoneというアプリが従来のアプリでしたが、SNS等の機能追加されたmyFirst Circleという新アプリが発表されています。新アプリはデータ量が増えているということで3GB以上が公式サイトでは推奨されています。
又、以下主な注意点をまとめました。
データ容量を超えた時の料金体系
プランごとに通信容量が決まっていますが、予め決められたデータ容量を超えた場合どのような料金になるかも重要です。子供に渡すことになるので、使いすぎたりといったことも考えられるからです。
大きく以下の3つが考えられます。
①高速通信容量(例えば2GB等)が決められており、その容量を超えた場合、低速モードで使える
②1GBまでは、〇円、1GB~3GBまでは〇円とデータ容量ごとに使える
③データ容量が決まっており、その容量を超えた場合は、通信ができなくなる
②の場合は、上限が設定できないと子供に持たせるには少し怖いので、データの使用量の上限をアプリ側で設定できるSIMがよいでしょう。
おすすめの格安SIM
それでは上記を踏まえて、おすすめのSIMを紹介しましょう。
条件としては、以下の通りです。
・公式対応しているSIMで安定した通信ができ、プライベートIP対応
・容量と価格のバランスでコストパフォーマンスがよい
IIJmio ギガプラン タイプD
IIJmioは、格安SIMの草分け的存在で、長年ドコモ系のMVNOとしての実績があり、安定感があり、Oaxis Japanの公式サイトでも使用できるSIMとして挙げられていますので、安心して利用できます。
料金体系は以下のようになっており、myFirst Fone R1で使用する場合は最低容量の2GBあれば十分でしょう。
仮にデータ容量を超えてしまったとしても低速通モード(最大300kbps)で使用することができ、GPSによる位置追跡、音声通話、メッセージのやり取り等は行なえます。
iijmioのギガプランは、音声SIM,データSIM,SMS付きのSIM、esimの4つのプランがありますが、myFirst Fone R1を使う上では、SMSsimを選んでもデータSIMとできることは変わらない、esimは使用できないということで除外しています。
タイプDとタイプAがありますが、タイプDがドコモ網、タイプAがau網なので、タイプDを選択しましょう。
データ容量 | 音声SIM価格 | データSIM価格 |
2GB | 850円 | 740円 |
5GB | 990円 | 900円 |
10GB | 1,500円 | 1,400円 |
15GB | 1,800円 | 1,730円 |
20GB | 2,000円 | 1,950円 |
料金はHISよりは高いですが、使わなかった通信容量は翌月まで繰越可能で、高速モードと低速モードをアプリで切り替え可能、低速モードも300kbpsと他より高速でバースト転送機能があります。
バースト転送機能とは、低速通信時においても、通信の最初の数秒間だけ高速通信速度でデータ通信できる機能で、メッセージの読み込み等断続的で小容量の通信には非常に効果的とされております。
最小の2GBのプランであっても、かなりヘビーな使い方でも足りるでしょうから品質重視で使いたい方にはおすすめです。なお、BiC SIMはビックカメラがIIJmioから回線を借りているので、回線は同じとなりますが、なるべく本家のIIJの方がよいでしょう。

HISモバイル
なんといっても月額198円~と維持費が最も安いのが特徴です。
楽天の1GB以下無料がなくなったため、myFirst Fone R1を最安で維持できる方法になります。
データ通信のみのビタッ!プランと音声通話もついている自由自在プランがあります。
ビタッ!プラン
ビタッ!プランはデータ専用のプランで以下のようにデータ容量ごとに変動する従量制の料金体系となっています。
嬉しいのは、データ専用プランの場合は、容量の制限を100MB・2GB・5GB・10GB・15GB・30GBと6段階でかけることができ、意図せず子供が使いすぎて料金が高くなってしまいということも防ぐことができる点です。上限設定を超えた場合は低速通信(最高200Kbps)で使用することができます。
ビタッ!プラン (データ専用) |
自由自在プラン (音声通話+データ+SMS) |
|
100MB未満 | 198円 | 290円 |
1GB | ー | 550円 |
2GB | 770円 | ー |
3GB | ― | 770円 |
5GB | 1,320円 | ― |
7GB | ー | 990円 |
10GB | 2,310円 | ー |
15GB | 3,300円 | ー |
30GB | 5,775円 | ー |
データ容量チャージ[1GB] | 330円 | 200円(最大100GBまで) |
0.1GB(100MB)のデータ通信容量といわれても中々イメージがわかりにくいでしょうから
LINEの場合に換算すると目安としては以下の通りです。
100メガ(0.1ギガ)あたり | |
LINE(トーク) | 3万回以上 |
LINE(音声通話) | 3時間30分程 |
LINE(ビデオ通話) | 10分ちょっと |
日常的にはテキストメッセージを使用し、ビデオ通話は急ぎのとき以外には使用しない使い方であれば、100MBでも足りるケースもあるかと思います。
ほとんどが、テキストメッセージの方は100MBで足りることが多いでしょうから198円の「ビタッ!プラン」で十分かと思います。
自由自在プラン
自由自在プランは、音声も付いたプランです。
音声通話付きのプランの場合は、1GB・3GB・7GBで上限をかけることができます。
通話も使いたい、メッセージで絵文字や画像も使うので1GBぐらい使うかもという方は音声通話もついた290円からのプランがおすすめです。
1GBまでの料金であれば、550円と音声通話がついたプランの方が安く、スマートウォッチとして上記のように使う場合は、100MBは超えるが、1GBは超えないというケースも多いためです。
私は問題なく使えていますが、100MB~1GBのプランでは通信量や通信速度の問題から不具合が出るケースがある旨案内されています。気になる方は、まずは100MBや1GBのプランで試してみて、その後容量を増やす(手数料無料でできます)かiijmio等安定しているSIMを使うとよいでしょう。
ワイモバイル
通常のケースですと以下の料金体系となっており、通常選択肢にははいってきませんが、ワイモバイルは家族の方が使っている、もしくはこれから乗り換えようと考えている場合は選択肢にはいってくるでしょう。
S | M | L | |
基本料金 | 2178 | 3278 | 3780 |
家族割適用後 | 990 | 1900 | 2970 |
データ容量 | 3GB | 15GB | 25GB |
2回線目は家族割が効き、3GBで990円となります。
シェアプラン | 539円 |
又、親や家族がシンプルM・L を使っている場合は、スマートフォンのデータ通信容量を別の端末で効率良く分け合うことができるシェアプランという子回線専用のプランがあり、
1回線あたり追加料金539円でデータ容量を分け合うことができます。
なお、データ容量は親の契約と共有になるので、まず容量を超えることはないかと思いますが、超えた場合は低速モード(128Kbps)で使用ができます。
特に元々ワイモバイルで契約をまとめられる方やお子さんの人数が多い方には、回線も高速で安定しており、データ容量もかなり多く使えるため、ビデオ通話を頻繁に用いる等ヘビーユーザーの場合は、選択肢になるでしょう。
まとめ
テキストメッセージや音声がメインなのか、ビデオ通話を使うのかスタイルによっても違ってくるかと思いますが、以上をまとめると以下の通りです。
基本的に上記で紹介したSIMであれば、使えない機能はありませんし、プライベートIPにも対応しており、電池持ちも問題ありません。又、高速通信を使い切った後も低速モードで通信可能です。
データ速度はiijmioの方がHISやb-mobileよりは早いことが多いですが、スマートウォッチでの使用であれば、あまり影響はありません。
使用するデータ通信量と値段のバランスで選ぶとよいでしょう。
なお、いずれのプランも契約期間の縛りや違約金がないので、安心です。
音声通話も使いたい場合
音声通話も使いたい場合、音声SIMでの契約となります。データ量ごとの最適となるプランをまとめたのが以下の表です。
音声SIMであれば、HISの自由自在プランがコストパフォーマンスがよくおすすめです。
データ量 | プラン名 | 料金 |
100MB以下 | HISモバイル |
290円 |
100MB~1GB | 550円 | |
1GB~2GB | 770円 | |
2GB以上 | 770円 |
電話は不要の場合
電話での通話は不要で、IP電話でよい場合はデータSIMでの契約となります。
データ量ごとの最適となるプランをまとめたのが以下の表です。
ただ、100MBを超える場合は、音声通話付きのものとほとんど料金に差はなくなりますが、100MB未満の月がある場合、198円で維持できるというメリットがあります。
データ量 | プラン名 | 料金 |
100MB以下 | HIS Mobileのビタッ!プラン |
198円 |
100MB~1GB | HIS Mobileのビタッ!プラン |
550円 |
1GB~2GB | 740円 | |
2GB以上 | 900円 |